住宅ローンの選び方:銀行や不動産業者が教えたがらないポイントとは!?

※この記事はすでに住宅ローンを組んでいる方向けの内容になりますが
これから住宅ローンを検討している方にも参考になります。
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「家を購入しているあなたは住宅ローンを組んでいますか?」
ほとんどはYesと答えるでしょう。
では、
「きちんと考えて金利タイプを選びましたか?」
「変動金利で組んでいませんか?」
こんな質問をされたらどうでしょうか。
2019年の住宅金融支援機構の調査では変動が約60%、期間固定型変動金利を含めると約85%
一方、全期間固定金利は約15%しか選択されていませんでした。
私も多くの家計分析をしてきましたが住宅ローンの金利に関して
変動金利で組まれている方が大多数でした。
変動金利が悪いと言いたい訳ではありません。
あなたが変動金利に向いている方であれば問題ないです。
一番お伝えしたいことは
“業者に誘導されずきちんと住宅ローンを選択しましたか?”と問いたいです。
住宅ローンを組む時の大前提は、
「ある程度余裕を持った上で住宅ローンをどの金利タイプにするか検討する」ことです。
現在家計の収支だけで厳しい場合、仮に金利が上昇した時には毎月の返済額が増額し返済ができなくなり、最悪の場合で返せない状態が続くと大切なマイホームが差し押さえされる可能性もあります。
どんな金利タイプがあり、その中で一番自分にあっているものはどれなのか?
を知っていくことが重要です!
ただ、事実として住宅ローンを決める際に自分の意志ではなく販売業者の意志で
変動金利を選択している方が多いです。
本日は下記の流れで、住宅ローンの全てを解説できればと思います。
どのような考えで住宅ローンを決めるべきか
~知っておきたい不動産業者と銀行の思惑~
まず、住宅を購入する際には2つの金融業者と接点を持つことが一般的です。
・不動産業者
・銀行
ではそれぞれの業者は“どのように住宅ローンを組んでほしいのか“を考えていきましょう。
不動産業者の目線から
住宅を買う際には毎月いくら返済するのか、またその金額で返していくことが
できるのか、そう思って物件を選びますよね。
例えば5,000万円の家を買おうと思った際に、よく広告に12万円代~と
書かれているものをよく見ます。
<広告イメージ>
ただこの際の住宅ローンの金利は今現在で一番安い金利の0.5%などが
使われているものがほとんどです。
(中にはボーナス返済分を無いものとして月々○○万円~、と書かれているものもあります!)
次に、金利によって毎月の返済額がどのくらい変わるのかを見ていきましょう!
同じ5,000万円の物件を購入したときに変動と固定では毎月の支払いは約2万円も異なります。
不動産業者からするとお客さんができるだけ金額の高い物件を購入してもらった方が
儲かりますので金利に関しては、買ってもらえるのであればどちらでも良いことがほとんどです。
そのためわざわざ毎月の返済金額が高く見える固定金利ではなく見栄え的に安く見える、
銀行の目線から
先程と同様に銀行にとって嬉しいのはどちらかを考えていきましょう。
「変動金利と固定金利はどちらが安全な経営をできるでしょうか。」
変動金利はその時に市場によって金利を上げたり下げたりと変更可能です。
固定金利の場合は今のように低金利時代が続けば、より収益性が高いですが
市場の金利が高くなった場合には、銀行が金利の差額分を負担する必要があり
逆ザヤ(赤字になる)可能性も秘めております。
また担当者のケースで考えても、融資金額がノルマになっているため変動、固定問わず
とにかく借りてくれればそれで良い!と考えれば今安い変動金利をお勧めすることがほとんどです。
1章のまとめ
不動産業者も銀行も変動金利を勧めることがほとんど!
どのような金利タイプを選択すべきか
残念ながら住宅ローンに関しての知識がないと「主体的に金利を選ぶ」ということは
難しいのが現状です。
そのためこの記事を見て頂いている方にはぜひ正しい選択をして頂きたいと思います。
現在のストック資金や経済状況を加味した上で正しい住宅ローンの組み方を選択しましょう!
ではどの住宅ローンで組むべきなのかの判断基準をお伝えします。
(ここが一番重要です!!!)
よくある「変動金利と固定金利どっちがお得なの?」という質問にも回答できればと思います。
変動金利は上がらない!と思われている方が多いのも事実です。
確かに過去10年以上金利は下がり続けてきました。だからと言って未来も
この低金利が続く保証はありません。
まずは過去の金利を見てみましょう!
参考:住宅金融支援機構「【フラット35】借入金利の推移」https://www.flat35.com/kinri/kinri_suii.html
教科書的な話だと金利の動きを見て住宅ローンを選ぶ場合、
・今後金利が上がると読むのであれば固定金利
・今後金利が下がると読むのであれば変動金利
これが正解です。
ただどのくらい上昇するのか、どのタイミングで上がるかなどは
どんな優秀な経済学者でも分かりません。
そのため変動金利で組むことが正しいのかどうかは10年後、20年後が訪れてみないと
変わりません。
だからこそ、金利が“上がるか上がらないか”ではなく“上がっても大丈夫か”
という視点で考えていくべきだと思います。
金利が上がったことにより、返済額が増え生活が圧迫される方が変動金利で組まれるのは
リスクを取りすぎているため私はお勧めしません。
ここから先は、現在時点での住宅ローンの水準をベースに金利の種類を解説しつつ
どんな方がそれぞれの組み方に向いているのかを解説します。
変動金利の場合
金利上昇のリスクがあります。
そのため金利が上がっても問題ないようにしておく必要があります。
<変動金利で借りるのに向いている方>
・金利が仮に上昇したとしても返済が可能な方(目安として3%になっても返済可能)
・自己資金が十分にあり、上昇しても繰り上げ返済ができる方
・自己資金はないが金利が絶対上がらないと思う方(あまりお勧めはしません)
固定金利の場合
全期間金利が変わらないタイプです。
水準としては昔に比べるとマイナス金利の影響で金利が1.3%程で固定化できるので
昔の金利を知っている方には非常に低くなっています。
<固定金利が向いている方>
・金利が上昇すると考えている方
・低金利を活用し借りて手元資金を蓄えたいと考えている方
・今後の返済計画を立てていきたい方
期間固定金利の場合
期間固定金利には2種類あります。(当初引下げ型と通期引下げ型)
詳細を簡潔にお伝えすると10年固定や20年固定など初めに決めた期間は
固定金利、その後は変動金利となるような変動と固定をミックスした金利です。
例えばある金融機関の20年固定金利で見ていくと
基準金利:3.8%
(当初期間)優遇金利:△2.58% ←当初期間、今回の場合には初めの20年間
(当初期間終了後)優遇金利:△0.7% →20年以降の優遇金利
つまり
3.8%-2.58%=1.22%
初めの20年間はこの金利で借りられるが
3.8%-0.7%=3.1%
初めの20年間が終わると3.1%を基準とする変動金利となってしまう。
<イメージ図>
きちんとこの当初期間内が返せる方は向いているが、当初期間以降もこの金利で
借りてしまうともったいないので計画した返済計画が必須です!
<期間固定金利で借りるのに向いている方>
・固定期間終了後に繰り上げ返済を考えている方(住宅ローン減税終了後に一括返済する)
・固定期間のうちに多く貯蓄ができる方
・今は低金利で借りておいて後々売却する予定の方
2章のまとめ
さて、「自分の組んでいる(組もうとしている)金利タイプ」と比較していかがでしたか?
金利をどう選んでいくかは
・現在の資産状況
・今後のキャッシュフロー
・今の家にずっと住むのか
・今後売却を考えているのか
によって組み方が異なります。
この部分を踏まえた上で最適な住宅ローンの組み方を考えていくべきです!
家を買うときにどのエリア、どの間取りにするのかなどはよく考えるかと思いますが
その大切なマイホームを守るためにも住宅ローンのこともしっかり考えなければいけない!
と感じて頂ける方が少しでもいれば幸いです。
本記事のまとめ
・金利が「上がるか上がらないか」ではなく「上がっても大丈夫か」で考える!
・変動、固定、期間固定の特徴を活かした組み方を選択する!
・当初引下げタイプは要注意!
らひFPからひとこと
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